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[コメント] トロピック・サンダー 史上最低の作戦(2008/米=独)

クレイジー。これがヒットするんだからアメリカはクレイジーだ。無論、そこがイイ。(2008.11.28.)
Keita

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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悪ノリをここまで手間と費用をかけてやりきってしまうことが逆に気持ちが良い。同じくベン・スティラー監督・主演の『ズーランダー』や『チームアメリカ』が好きな人なら、間違いなく悪ノリを受け入れて大爆笑するはずだ。

冒頭の偽予告からいきなり羽目をはずしてくれる。ワーナーに、ニューラインに、フォックスサーチライト。実際の映画会社の作風と似たような偽予告をうまく並べること。ドリームワークスのロゴが出てきたときもパロディかと思わされた。

そこからどんどんくだらないシーンを連続させるものだから、若干呆れつつも爆笑の嵐。特に、幸か不幸かキャストの新たな個性が引き出されていて、この配役をよく実現させてくれたと感謝したいくらいだ。

ベン・スティラーは実は今回は結構控えめ。序盤と終盤で2度までも繰り返した『プラトーン』のパロディは、わかっていても笑ってしまう好きなシーンです。

ジャック・ブラックはよくもあそこまで汚れたものだ。ヤク中のただのブタじゃないか! ヘロインに過剰に反応する様が何とも可笑しかった。

ロバート・ダウニーJr.はなんで黒塗りなのかと思ったら、黒人役になりきる俳優という設定だったのか…。彼が黒人口調で語る役者論がハリウッド映画へのブラックジョークとして絶妙に機能していることで、おバカ映画にアイロニーというスパイスを与えているが、それよりも黒人へのなりきりっぷりがあまりに滑稽で面白い。名演なのか迷演なのか。最近見た『アイアンマン』での印象とのギャップがあった分、主演3人の中では一番光っていたように思えた。

しかし、まさかのトム・クルーズにはもう!!!!? 彼が出演していることを知らなかったので、エンドクレジットで見て唖然としてしまった。デブでハゲの大金持ちが傲慢に「F**k」を連発し、クラブにいるかのように「Low」をバックに踊るのだから。普段演じるヒロイックなトム・クルーズとはかけ離れすぎだ。『マグノリア』を越える怪演。いちばんクレイジー。そして、トム・クルーズへの好感度が少し増しました。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)プロキオン14[*]

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