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[コメント] 十二人の怒れる男(1957/米)

最後の人も勝利者。

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







無罪にしたのがハッピーエンドには感じないんだよね。具体的な有罪無罪とか考えちゃうと陳腐になっちゃう。内容的には最初の無罪派と最後まで残った有罪派のぶつかい合い、そして双方の勝利。勝利って言い方はちょっと違和感もあるが。残りの十人は大して意味はないような気がする。あのとぼけたおじいちゃんは最高だったけどね。 構成として、裁判の流れや真相の有無などを切り捨て、陪審員の審議だけに絞り、一人から十二人に広がって終了っていう贅肉の全くない仕上がり。だから一人の正義漢の活躍劇、完全制覇みたいな感じの形式があまりに鮮明に伝わるのでそれだけに集中して楽しみたくなるのだけど、あくまでそれは構成。そこに描かれたのは二人の男のぶつかりを通しての「民主主義の中でこそ貫くべき信念」みたいなもんだと思う。構成がシンプルで仕上がりも完璧な割には、結構気合を入れて感じ取らなければならない内容になってるね。ちょっと『七人の侍』を思い出したよ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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