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[コメント] PERFECT BLUE(1997/日)

既存のネタをそつなく利用した上で、オタクに対する作家自身のあくまで冷徹な悪意を、上々のサスペンスに昇華している。まさにパーフェクトな小品。
kiona

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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庵野秀明の悪意はオタク自身のそれであり、近親相姦の様相を呈するが、この映画の悪意は作家性と括る必要もないぐらい冷徹だ。それが主人公の健全な成長譚にもなっているのだから巧妙としか言いようがない。二重人格ネタやどんでん返しもそつなく織り込んで、リピートに耐えうる質を保持している。アニメ論に晒したら切りがないだろうが、ここまで作品として楽しませることができるなら、アニメとしてのアイデンティティーを問うことは無意味と思う。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)小紫 水那岐[*] ハム[*] 甘崎庵[*]

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