[コメント] 樹氷悲歌〈エレジー〉(1971/日)
誰一人悪人はいないのに起こってしまう悲劇のナイアガラ現象。こういうのが一番タチが悪い。そんな話に、関根は脱ぎっぷりがいいからとポロリ・サービスまでつける。こうなると製作者は鬼畜か、と言いたくなってしまう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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このサービスは酷すぎる。篠田がスキー場で骨折し、友人が助けを呼びにいっている間に関根と篠田が篭っている雪穴を雪崩が襲い、そんなときに「そうだわ。人間同士の肌を合わせれば温まるって聞いたわ」ってんで、関根がペロンと上半身をよく見えるようにはだけ、篠田に抱きつくのだ。ここまでご都合主義のサービスも珍しい。まして、その後で雪崩で雪穴の入り口が埋まり、篠田を窒息させまいと関根がトンネルを掘っているうちに上半身を雪に呑まれ、お尻から下をバタバタさせてもがきつつ死んでしまうのだから「これ、何かのギャグですか」と監督に問い詰めたくなる酷さだ(じつはその脇に新しい雪穴ができ、篠田は息をつなぐことができたのだから尚更である)。なめとんのか実際!
気を取り直して。伴淳は悲劇には使いたくない人材だ。喜劇のうちにホロリとさせる場面がある時に、彼の芸は生きるのだろうから。
それにしても、この話の一番の憎まれ役は間違いなく篠田だろう。彼が帰郷しなければ、総ての災いは起こらなかったのだから。そんな大役には彼の細い肩は些かひ弱すぎた。
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