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[コメント] かげろう(2003/仏=英)

読みが裏切られる映画。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







戦争、良家の母親と子供達、そこへ得体の知れない青年とくれば、サスペンス映画!ストーリィは分かったようなもの・・・と思っていたが、話はなかなかそういう方向へ進まない。

おかしいなぁと観ていると、青年が主人公の母親に向かって「妻になってほしい」と真面目に打ち明けている。30半ばの女と17歳の青年。何だ、これは?  やがて2人の敗残兵が主人公たちの家を訪れる。これだ!ここで悲劇が・・・。しかし、これもあっさり期待を裏切られる。これより話は終盤でリアルな現実が次から次へと押し寄せてくる・・・。

「ここの生活はかげろうのような、夢のような生活」と主人公オディールが言うが、我々観客も薄い期待が裏切られるかげろうのような時間をすごすわけだ。

そして最後の最後に「彼は脱獄してどこかを旅している」という観客にあれっと思わせるセリフが用意されており、彼女の本当の気持ちが分かる仕掛けになっている。

エマニュエル・ベアール といえば何となく妖しい魅力を持つ女の役が多いが、ここでは真面目な母親役。そういう意味でも読みがハズれた映画だった。

(評価:★3)

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