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[コメント] 戦略大作戦(1970/米)

サラリーマン諸君に是非見てほしい異色作。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







会社の中でまず一番に大切なことは何か? それは我社にはどんな部所があり、どんなことをやっているかを知ることだ。自分の仕事に関係のある部所はまっさきに必ず押さえておく。

本作の主人公ケリーが計画実行の為に訪れるのは、砲撃部隊、無線部、物資部、(工兵隊橋梁班は後述のD・サザーランドが接触する)。彼はすべての部所の責任者(キーマン)を知っており、キーマンたちも彼のことをよく知っていた。

今回の仕事(ミッション)で関わりのある部所はどこか。そのキーマンは誰か。そして面識はあるか。主人公はすべてをクリアしている。サラリーマン諸君もこうあるべきだ。

もう1つ。会社組織と類似していると思ったのは、D・サザーランドの登場シーン。主人公は聞く、「何処の部所だ?隊長は誰だ?」。会社でも知らない人に会ったら、この2つを押さえたい。どこの部所だ?課長(所長、部長)は誰だ?

もう1人の主人公T・サバラス−上からも下からも信頼の厚い所謂デキる曹長(筆頭係長)に目を向けてみよう。彼はケリーが知らなかったD・サザーランドのことを‘変人オドボール’だと知っていた。それだけ軍隊内のことに暁通しているということだ。別のシーンで彼は言う、「皆の命を守るのが俺の仕事だ。」素晴らしい!ハッキリとした目的意識。組織の中の自分の立ち位置の自覚。責任感。更に彼は計画に加わるかどうかを独断で決めず、皆の意見を聞いて決めるのだ。

どこの会社にも彼のような皆の中心となるデキる古参係長がいる。しかし、その男はなかなかそれ以上(管理職)には上がれない。これも地位の適材適所と言えるのかもしれない。ケリーと比較してみるとよく分かる。

主人公ケリーは前に少尉(課長)だった。管理職はある面、一匹狼的なところがある。時には非情な決断も必要だろうし、孤独な面も持っている。そんなあたりも見事に描いている異色作、そして快作だ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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