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[コメント] 生きたい(1999/日)

新藤兼人(87才)がこんな躍動感あふれる映画を撮るなんて。そして題が‘生きたい’だ。いやいや死にはしませんよ。結局新藤は100歳までも存命でした。出来上がった作品は、姥捨て民話を題材にして、老人問題に1つの活路を見出そうとする作品です。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







姥捨民話は文字通り、社会の粗大ゴミになった老人を山に捨てる話だが、やがて老人の経験、知識が社会に必要だという事で、その風習は止めになったと物語られている。

しかし、一部にこの話は捨てられることを怖れた人たちが新しく付け足したとも言われている。それはともかく現在、社会は情報時代になりパソコン、スマホ等を使えば、老人の持っていた知識、智恵をはるかに上回る情報を一個人が手にすることが出来る。

又しても老人は粗大ゴミになっているのだ。

しかし老人が子供たち、次世代に与えることが出来るモノはそれだけだろうか。

昔の想い出、やさしさ、やすらぎ、人間的なつながり、それらはその個人しか持っていない、代替の利かない永遠のものだ。

劇中、老人の周りに、カラスが象徴する死、はたまた老人不要という優しさのない社会を、娘の大竹が銃でもって撃ち払うシーンが有る。実に爽快だ。

(評価:★4)

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