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[コメント] チャンプ(1979/米)

如何にも「泣かせ」の教科書に忠実に作った作品という感じがして、自分のような観客は逆にシラけてしまうのだ。人間ってもう少し複雑な生き物ではないだろうか。
緑雨

と言いつつも、好いところもけっこうある。まず競馬場のロケーションが好い。オープニング、早朝の調教、馬を挽きながらステップを踏むジョン・ヴォイト、厩舎での集団生活の多幸感、フラミンゴの大群が舞う中でのレース開催、ピンク色に統一された飾り付けと観客の服装。「シアトルスルー、アファームド…」なんて馬名がアナウンスされるのもオールド競馬ファンには堪らない。

そしてリッキー・シュローダー。天使のように愛らしいビジュアルと、どこまでも純粋で健気なキャラクタは現実離れしているが、チャンプに頬を張られた瞬間、ぐちゃぐちゃになった感情を一瞬で表現する演技は神懸かりと言ってよいほどで鳥肌もの。

チャンプの愛すべきダメ人間ぶりも、これ単体でみると悪くない。ヴォイトって190cmを超える巨漢だったんだな。裸になったときの肉体もゴツい。キレて暴れる場面での手のつけられなさ加減は大迫力。フェイ・ダナウェイとの絡みでも、ところどころ切なくて好いシーンがある。

(評価:★3)

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