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[コメント] レボリューショナリーロード 燃え尽きるまで(2008/米)

ディカプリオもウィンスレットも達者なので、二人の口論シーンは見応えがあるし、夫婦生活における普遍的な地獄絵図的側面を痛烈に表象できているとも思うが、無理矢理テンションを上げ、強引に悲劇性を帯びさせようとしている印象がどうにも拭えない。
緑雨

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「誰が見ても理想の夫婦」が、実は絶望的なまでの閉塞感に苛まれている、という状況を表現したいのはよく分かるのだが、それが映画の感情にまで高まっていないので、直に伝わってこない。どうして二人がそんなにまでイライラしているのか、分かるようで腹に落ちてこないのである。演出面でも、不穏な空気を充満させるような創意もないままに、突如二人の口論がヒートアップするから唐突感が否めない。

浮気を告白したディカプリオに関心をまったく示さないウィンスレットの冷たい表情には男の背筋を凍らせる迫力があったし、翌朝の嘘のように幸せな二人だけの朝食はかえって恐怖を感じさせる。一方で、ウィンスレットのスカートに血が広がっていくような表現は俗っぽくって好きじゃない。

序盤で、ゴミ出しに行ったウィンスレットが表通り(レボリューショナリーロード)に佇み、我が家を振り返り物思いにふける姿を遠目からとらえたショットは美しく印象的だった。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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