[コメント] 波止場(1954/米)
全編ロケ撮影らしいが、後半の重要な車中のシーンはなぜお笑い番組のようなあんな安っぽいセットでの撮影なのだろう。過剰な音楽演出も含めて興を削がれるシーンが多い。
テーマも作品背景も風化はしても、マーロン・ブランド演じる主人公が恋愛と宗教をきっかけにして、社会正義に目覚めていく過程のドラマは今見てもけっこう有効でおもしろい。それが故に、その社会正義に目覚める重要な車中のシーンをあんな風に撮ってしまうのが信じられない。
カットバックによる省略やロケ撮影を利用した特異な演出が十分に作用していると思えない部分が多く、その他でもかなり荒削りな部分が多い映画で、鑑賞前のイメージと違い少し驚いてしまった。
あと、ベタなのだが、元プロボクサーの主人公の腕に物を言わせた立ちまわりを前半から観客に期待させておいて、ラストでああやるのは上手い。(観客に感情移入させてしまうってことね。)
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