コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001/米)

不良児童文学的な子供時代の多くのエピソードにワクワクする。
Kavalier

登場人物達の子供時代の多くのエピソードが、父性も母性も不在な中の自立した(獲得していく)子供達なんて、まさにアメリカの不良児童文学でよくやってるテーマだ(こういうテーマがずっと昔から機能していることは、アメリカでの家庭問題は今も昔もかなり芳しくないのだろうと推測できるが、そんな、クソ社会学な考えはこの際どうでもいい、ついでに映画後半の都市部の中産階級層の家族なんてテーマなんてのもどうでもいい。そんな物、この映画であらためて指摘されたり、気づくものでもあるまい、それを使用して楽しい喜劇に仕立て上げられているのがたまらなく楽しい)。博物館を泊まり歩く姉妹のエピソードなんて、カニグズバーグのオマージュとしか考えられない。冒頭から非常にワクワクする。

不良児童文学を読んだ後、青春小説にハマッたであろう監督と脚本家の読書遍歴を想像してニヤニヤする。

どうしようもなく楽しい映画だった。

なんというか、結局俺は、昨今の(小説だとシェイボンがやっているように)、都市部の中産階級を舞台に悲喜劇の文法で味付けされた家族コメディがたまらなく好きらしい。

それはそれで、昨今のこれらの作品群の一種の上品さには、伝統的なアメリカンゴシックが感じられるのだがどうだろう。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)ざいあす[*] MM[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。