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[コメント] 千と千尋の神隠し(2001/日)

いつの時代でも親子の絆は永遠です。それは理屈で語られるものではなく、生きとし生ける物の万象の真理ではないでしょうか。
さいた

この作品は親子の絆を冒頭の軽い日常描写でしか描いていません。それでも親を想う千尋の気持ちが大勢の観客に伝わって、本作品が大ヒットしたことに感銘を受けました。

一般的に親子の絆を描く場合は、どれだけ親が子を、そして子が親を愛しているのか、を見せる必要があります。それにより、切っても切れない親子関係を表現しなければならないからです。しかし、この作品では親子の絆を表現した場面は殆どありません。これについて製作者サイドは、大多数の親と子は深い絆で結ばれているので説明は無用と考えたのだと思います。

映画制作の話しになりますが、大抵の場合は日常描写には細かい説明を入れる必要がありません。例えば「歯磨きをする」「学校に行く」「買い物をしたらお金を払う」などは、これにあたります。何のために歯磨きを?何で買い物でお金を払うの?何で学校に行くの?みたいな事柄には説明は要らないのです。それは観賞者が一般常識や社会通念を理解している事を前提として映画を製作するからです。(例外として文化圏の違いによる一般通念は説明する必要があります)

以上の事柄を踏まえて考えますと、人間関係が荒んだと言われる現代社会でも、親は子を、子は親を、お互いに心の奥底で想っているので、わざわざ絆を描かなくても大丈夫だということではないでしょうか。これから先、いつの時代でも親子の絆は永遠であって欲しいものです。そして本作品も何世代に渡って語られることを願います。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)シーチキン[*]

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