[コメント] 勇者たちの戦場(2006/米)
久々に単なるアクションモノで終わらない社会派な戦争映画を観た気がした。『帰還兵たちの心のリハビリは今後もずっと続くだろう。』いろいろなことを考えさせられた。review ではほぼ同時期に観た『靖国』についても一部触れています。ご注意。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
戦場から本土に戻ってみたら、そこは反戦ムード。
自分は自分の、自分の信ずる国家の そのいずれもの正義のために志願して戦地に赴いたはずなのに、帰ってくるなり仕事はない、負傷兵慰労金もない、興味本位で「何人殺したか」を聞かれる日々。
身体だけでなく心にも深い傷を負った帰還兵の悲哀が、克明に描き出されていた。
戦争の舞台裏を知ってしまった国民は、戦争に行った者すらも貶める。息子すらも戦地に赴いた父に理解を示すことができない。
そして、兵士達自身も「あの戦争は正解だったのか」という思いと「自分たちは正義のために、仲間のために戦った」という自負との狭間で揺れ動く。
帰還兵たちの心のリハビリは今後もずっと続くだろう。
ほぼ同時期に『靖国』を観た。
最初、終戦記念日に軍服を着て日章旗をかざす方々を滑稽な目で眺めていた。
が、その方々を単なるコスプレ右翼だと笑うことは、もしかすると『戦地に赴いてもいない』僕らにはできないのかもしれない、とふと思った。
それは、まるで、イラク派兵に出征し、少なからず負傷して帰還してきた兵士たちに対し、真の理解を示すことができないアメリカ国民と同じなんじゃないだろうか、と自問自答してしまうのである。
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