原作を初めて読んだときのような衝撃は全くなかったが、過ぎ行く約20年間を巧みに映像化できていたと思った。

ただ、堀北真希が余りにもミスキャスト。

原作を読みながら思い描いていた役者は加藤あいの「顔」だったが、彼女の演技力では恐らく堀北以下になっていたと思われる。

童顔で妖艶さも併せ持つ小西真奈美辺りを据えていたらもっと違った作品に仕上がったような気もする。

ラスト、高良健吾のビルの屋上で見せる笑顔が忘れられず、この点数。

「知らない人です」

このセリフひとつで、雪穂のために生きても報われることがなかった亮司の短い人生がより悲しいものになった。