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[コメント] ハプニング(2008/米)

やろうとせんことはわかるものの、ドンデン返しとか衝撃の結末とかそういうことじゃなくて、
ごう

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







最大の失敗は「風にあたると死ぬ」と言う事を最後まではっきり主人公たち(=観客でもあるのですが)に提示しなかったことです。

いや、確かに見ているオレら観客は主人公たちと違って公園連続自殺やら工事現場連続飛び降りやら見てるから、風に「何か」が乗っかって集団自殺が起きているようには見えるようにしてあるんだけれども、肝心の主人公は最後までそれに確証がもてないで悩んでいる上に、何せ監督はシャマランなもんだから、オレにしたって

「ほんとに風なのこれ?何かまたドッキリ用意してるんちゃうの?野呂圭介が“どっきりカメラ NTV”とか書かれたプラカード持って出てくるんちゃうの?」

とか思っちゃう訳じゃないですか。となると結局クライマックスがボヤけちゃうんですよね。「風がバンバン吹いてるからほぼ鉄板死ぬけれども、それでもこのまま一人でいるなら愛する人と一緒に…」というドアを開けて外に出るときの決意も覚悟も伝わってこないんです。だから、いきなり「数ヶ月後…」なんて言われてこっちはポカーンですよ。その後パリで同じことが起きたって知ったこっちゃないですよ。それもこれもクライマックスで主人公たちが明確に敵であるというものに向かっていってないからなんです。だから、一言でいいからラジオ放送か何かで「風には当たらないでください!部屋にこもって窓を閉めてください!」って明言させればよかったと思います。

もしちゃんとそこが描けていれば、風に乗っていた「何か」は説明する必要はないです。むしろしない方が怖い。何かわからないのに加えて何故それが突然猛威を振るわなくなったのかもわからないとくればこれは風が敵であるが故に毎日ビクビクですよ。またいきなり始まるんじゃないかって。実際パリでも始まるわけだし。

つまり、今作はスピルバーグの『激突!』において運転手だけでなく襲ってくるコンボイすら見せてないと。それじゃぁ見せなさ過ぎだろと。そういうことです。映像は好みだっただけにちょっと残念。

(評価:★2)

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