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[コメント] ハーヴェイ(1950/米)

「たかが映画じゃないか」(文藝春秋社刊)を読んだ時に、一番いつか見たいと思った映画かも知れない。見てみると、概ね期待値通りだったのだが、全くジェームズ・スチュワートらしい悠長な人物造型。
ゑぎ

 ハーヴェイが存在しているはずの画面は、なんだか危なっかしく、ぎこちない所作の連続で、その不自然さに始終目がいってしまい、ハラハラさせられてしまう。きっとそれは狙った効果などではないのであって、これでは成功しているとは云えんのではないかと思う。

 撮影はガルボの撮影者ウィリアム・H・ダニエルズで流石に美しい。俯瞰気味のスチュワートの目線レベルのカットがいい。チャーリーというバーのシーン等で顕著だ。脇役では、スチュワート以外にハーヴェイが見えている、という人物である、姉のジョセフィン・ハルと精神病院の院長セシル・ケラウェイがいいのだが、特にケラウェイのキャラクターの意外性が映画に深みを与えている。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)jollyjoker

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