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[コメント] 男の出発(1972/米)

ディック・リチャーズらしい甘々の演出。例えば牧童を描くということに関してはまるっきりお座なりだし、キャトルドライブをスペクタキュラーな画面にしようという意志は全くなかったとしか思えない。スタンピード(牛の暴走)も全然迫力が足りない。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ちょっと嫌味な書き方をしているのだが、旅立ちシーンの牧童達の「雄たけび」なんかは『赤い河』へのオマージュなのだから、一応志向はしたのであろうにもかかわらず、できていない、というところが余計に腹立たしい。しかしだ、技術的にできないのであろうということを了解した上で本作を見ると、矢張り悪くない部分も多いのだ。ガンマンの助っ人4人がペキンパーに連なるキャラクターであり(ま、ルーク・アスキューボー・ホプキンスが含まれているのですから)、銃撃戦の高速度撮影とそのカッティングも「どうですかペキンパーやってみました」といった感じで楽しいし、それ以上に原題にも名前が出ているカルペッパー役のビリー・グリーン・ブッシュのキャラクターがプロットに深みを与えている。ラストの彼の描き方(退場の仕方、あるいは再登場しないという潔さ)がいい。「アメイジング・グレイス」の使い方は嫌い。

(評価:★3)

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