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[コメント] ビッグ・コンボ(1954/米)

冒頭からジョン・アルトンの光の扱いには目が釘付けになる。リー・ヴァン・クリーフアール・ホリマンのコンビと、ヒロイン=ジーン・ウォーレスがオープニングから登場、というのが嬉しい。これら人物の動かし方もカッコいいのだ。そういう意味で、絶好調のジョセフ・H・ルイスだと云えるだろう。
ゑぎ

 全編実にカッコいい映画だが、幾分倒錯的な趣もあり、手放しでそのカッコよさを楽しむ訳にはいかない映画でもある。

 ジーン・ウォーレスは当時、コーネル・ワイルド夫人。ワイルドは、前妻のパトリシア・ナイトとも『ショックプルーフ』(ダグラス・サーク監督,1949年)という傑作犯罪映画を作っている。また、数多の犯罪映画の主人公であるリチャード・コンテがこゝでは敵役であり、それも最強レベルの悪役ぶりなのだ。その他脇役では、ブライアン・ドンレヴィの役柄も強烈で、彼の補聴器を使った拷問シーンは特記すべきだろう。ワイルドの上司を演じるロバート・ミドルトンも押し出しが良く貫禄がある。そして、物語のキーになるコンテの元の奥さんを『悪魔の往く町』や『出獄』のヘレン・ウォーカーが演じている。

 シーンでは矢張りエンディングが白眉だ。霧と逆光の扱いが凄い。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)袋のうさぎ

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