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[コメント] ドクター・ブル(1933/米)

クレジット後にサイレントっぽい字幕が出て、ファーストカットは「ニュー・ウィントン」という駅。パンニングして列車の到着。このカットからして心震える画作りだ。さらにこゝから続く雪と坂のある町の情景がいい。
ゑぎ

 ウィル・ロジャースは歌(賛美歌)を唄いながら登場する。『プリースト判事』や『周遊する蒸気船』と殆ど変わらない大らかなキャクターだ。教会のシーンは当然としても酒場(ビアホール)のシーンで客達が揃って唄を歌う場面が描かれており、例えば『静かなる男』等、後々のフォード・タッチが既にこゝにある。フォードらしい鷹揚さは若きアンディ・ディヴァインが腹具合の悪い患者としてたびたび絡んでコメディリリーフを務める部分でも指摘できるだろう。ラストカットが彼だというのもとっても嬉しい。

 また、ロジャースと年増のヒロイン・ヴェラ・アレンが食事するシーンでは、2台のカメラによるマルチ撮影の繋ぎであることがよく判る(間違っているかも知れませんが)。ヴェラ・アレンはとても存在感があるのだが、ただし、彼女の演技・演出は全般にサイレント臭い。

#チフスを知らせる手紙を見る郵便局のシーンに住民としてフランシス・フォードがいる。議会のシーンでは議長を演じている。研究施設を持った医者として『力と栄光』のラルフ・モーガンが登場する。また、『駅馬車』にも出ていたバートン・チャーチルがヴェラ・アレンの兄。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)shiono

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