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[コメント] 午後8時の訪問者(2016/ベルギー=仏)

ニーショット、バストショットが多く、初期ほど寄らない。遠景も目に付く。なので、本作は普通の映画に近い。相変わらず、切り返しはないけれど。
ゑぎ

 題材的にも謎解きや犯罪組織が関わってきて、普通のスリラーっぽい。だから、いつもの良さ、それは日常に潜むスリルの増幅みたいな部分、が薄れている面もある。

 また、被害者の少女の写真を、ローラー作戦のように会う人会う人に見せ、知っているかどうか聞き回ったから、という理屈はあるのだが、有力な証人となる人物や、少女の近親者と偶然に遭遇する、という臆面もないご都合主義が前提となっている。本作のご都合主義のレベルは嫌らしいものではないけれど、やっぱり昔からの、ご都合主義の塊のような犯罪映画の伝統に則っている、ダルデンヌらしさを損なう作劇のように感じてしまうのだ。

 あと、診療所のドアブザーの音が効果的に使われる。唐突な中断と割り込み。

#同窓会のような、常連や過去作の俳優のチョイ役キャスティング。

 常連の三人、ジェレミー・レニエは患者のお父さん、オリヴィエ・グルメは、トレーラーハウスのオーナー役。ファブリツィオ・ロンジョーネは主人公を心配する男性のお医者さん。『少年と自転車』の少年が、往診した際、ギターを弾き唄う剃髪の青年で登場。『息子のまなざし』の少年が、被害者の発見者でクレーン操縦者として登場。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)jollyjoker

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