[コメント] 誉の名手(1917/米)
ジョン・フォードの長編第一作で、シャイアン・ハリー・シリーズ第一作。アイリス・インで始まるファーストカットから、丘を使って牧童と群れる牛を配置した見事な縦構図カットなのだが、なんと云っても本作の目を瞠る特徴は、矢張り、屋内に置いたカメラから、開け放たれたドアの向こうの屋外を撮影した縦構図カットだ。
屋内からドアの向こうを映したカットは、『捜索者』の原型として言及されることが多く、見る前から既知の情報だったのだが、しかし、いったい何カットあっただろう。こんなに多用されているとは思っていなかった。そして、これによって何と強い画面を獲得していることか。また、屋内の人物のフルショットから、バストショットへの転換も冴えがある。グリフィスでも1912年頃(例えば『見えざる敵』の頃)であれば、まだフルショットばかりなのだが、5年程度で本作のような映画的なカッティングへ進化していることにも感動した。
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