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[コメント] あのアーミン毛皮の貴婦人(1948/米)

夢のようなテクニカラー。まるでディズニー・アニメのような色遣い。それは、もはや比喩の域を超えた、全く現実離れしたノッペリ感なのだが、しかし現実と照らし合わせて、いかに違和感を覚えても、だからこそ、これぞ真に映画的な現実だ。
ゑぎ

 全体、ルビッチにしては大味な映画で、そもそも主演のベティ・グレイブル自体が大味な女優だが、しかし、各シーンは、実にゴージャスな演出で目を瞠る場面の連続だ。グレイブルとダグラス・フェアバンクスJr.とのダンスシーンが一番の見どころか。二人してテーブルの上で踊る演出。それとラストシークエンスの雪の小屋のシーンがいい。かなりのご都合主義的展開だが、演出がいいので帳消しになる。まずフェアバンクスの様子が「いつもと違う」と言いだす副官ホバース役ウォルター・エイベルが情感溢れる。その後、フェアバンクスが、夢と見紛い小屋の外へ出て、雪で顔を洗ったり、窓ガラスから小屋の中を覗く部分がいい。窓の内外の見せ方は、矢張り感嘆する。

(評価:★3)

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