[コメント] シャン・チー テン・リングスの伝説(2021/米)
終盤のトニー・レオンは、誰にどう騙されて、何を解き放とうとしているのかよく分からないが、大したパラノイアの造型だ。しかし冒頭の、竹林を抜けた、水場のある桃源郷のような場所での闘いがいい。アクションの間で、見つめ合う二人。本作も、水と水辺の映画だ。
実は、トニー・レオンやミシェル・ヨーと共に、私が目当てにしていた、もう一人がオークワフィナ(ケイティ)だったのだが、彼女の個性もよく発揮されていたと思う。正直、中盤までは、主人公のシム・リウ(シャン・チー)と彼女が一緒に映っているシーンはいいと思って見ていた。走るバス内のアクションシーンを筆頭に、マカオの高層ビルでの、仮設足場を使ったアクションなど、彼女がいることで、スリルを増幅させているのだ。これが、シャン・チーの母親の故郷「ター・ロー」へ行き、オークワフィナが単独行動を取り出すと、なんかつまらなくなって来るのだ。彼女が弓の技術を学び、最後に活躍する、というのも取ってつけたように感じてしまう。
また、終盤の、怪物や湖の龍、解き放たれた魔物が入り乱れる、怒涛の戦闘シーンも、なんだか単調な演出だし、ベン・キングズレーの使い方の中途半端さも含めて、ちょっと不満の残る出来だ。
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