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[コメント] 犬部!(2021/日)

ペットショップの店主が重要な役割りで出て来るが、演じている螢雪次朗を久しぶりに良いと思った。本作は、この人がいないと成立しない、と云ってもいいぐらいだ。
ゑぎ

他にも、林遣都が東京でやっている動物病院の看護師役、安藤玉恵もいつもながらだがいい。あるいは、中川大志の母親で長野里美がドア開けでの登場シーンが与えられていて、その前のシーンに出ていた田中麗奈より、画面映えがすると思った。こういったベテラン助演者が支えており、本作を見応えのあるものにしている。

 プロット展開は、2003年(林と中川は大学5年。獣医学科の修士課程ということだろう)に始まり、2019年(現在)、2000年(大学2年)と回想場面を繋ぎ、あとは、現在のシーンに過去をランダムに挿入(フラッシュバック)する編集を見せる。林も中川も、20年近い年月をルックスで感じさせない(全然老けない)のだが、序盤で3つの時代を見せてくれているので、フラッシュバックも分かりやすく上手く作っている。ルックスの件で補足すると、大学時代からの変化を一番表現していたのは大原櫻子だと思った。

 画面造型的な部分で忘れ難いのは、十和田動物愛護センターへ行く(帰る)場面で出てくる、高い草のある道の画面。あとは、終盤、田辺桃子と林遣都が公園で会話するシーンでの、絞り開放(ぎみ)の画面だ。田辺の後景がいいボケ味の緑の画面で、ほとんどアイドルみたいな撮り方になっている。

 映画的な話ではないが、地域の獣医(開業医)と行政の責任に対して、穏やかだが確実な言及がある点は、記しておくべきだろう。

(評価:★3)

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