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[コメント] ピアノ・レッスン(1993/豪=ニュージーランド=仏)

こういう映画が困る。最後迄ぐいぐい引っ張られたが、私の好みではない。「現実らしさ」をいささかも逸脱しない、平板な人物造形。
ゑぎ

 例えば、ホリー・ハンターの演技については、「ホリー・ハンターなら、これくらいはやるであろう当然の演技」であり、それを超えていないと思える。それは、「この映画の時代背景でもこのような自立した唖者の女性がいただろう」と納得させるレベルではあるけれど、「現実らしさ」をいささかも逸脱しない、平板な人物造形だと感じた、いうこと。『赤ちゃん泥棒』の主演女優が見せた「現実らしさ」を過剰に超えた映画的興奮と比較してしまうからかも知れない。

 ホリー・ハンターから離れても、例えばハーベイ・カイテルの隈取りのような顔の刺青が、「刺青のある顔」として登場するに留まり、全く映画的に機能しない、映画的に機能する画面がない、ということに苛立ちを禁じ得ませんでした。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)デナ

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