[コメント] 夕陽に向って走れ(1969/米)
これは矢張り力のある映画だ。昔幼少のみぎり見た時は実はあまり面白いと思わなかったのだが見返してみると『明日に向って撃て』なんかとは桁違いの胆力というか膂力というかがあり感服した。例えば冒頭の居留地でのフィエスタのシーンでキャサリン・ロスもスーザン・クラークも純白のドレスを着て登場するが、
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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この白の衣装を目の当たりにした瞬間に、こゝはどうしても白でなくてはならないと拘ったであろう演出家の思いが映画の画面として圧倒的な納得性を持って迫って来る。或いは中盤、プロットがギアシフトし岩山の西部劇になっていくのだがその見せ方が頭抜けている。冒頭からタイトルロール「ウィリー・ボーイ」を演じるロバート・ブレイクが間違いなく悲劇の主人公だと判りやすく観客に感情移入させておいて、或いは対比するようにロバート・レッドフォードの単純でない(正義漢でも悪漢でもない)、しかし嫌らしい人物造型を見せつけておいて、ラストの岩山の対決では、カメラはずっとレッドフォードに寄り添い、ブレイクは徹底したスナイパー−狙撃者−と化す、という図太い一筋縄ではいかない演出。
ブレイクとキャサリン・ロスのシーンは悉く瑞々しく美しい撮影で彼らの顛末の演出だけでも胸締め付けられるのだが、スーザン・クラークが以前見たときの印象と違い、なかなか綺麗なのにも驚いた。ただし、レッドフォードとの性的な描写は彼女の見せ場ではあるのだが少々鬱陶しい。
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