[コメント] チャップリンの殺人狂時代(1947/米)
笑えないコントの部分も多いが、思ったよりも、かっちり画面造型されていて、画面の見応えはある。さすがにサイレント期からの大監督の仕事だ。
また、三組ぐらいのご婦人(ターゲット及び本当の妻)とのやりとりのシーンを繋げながら、途中で、雨の夜に遭遇した若い女性(クレジットでは「ザ・ガール」という役名。マリリン・ナッシュ)を挿入する話の運びも、やはり上手いものだと感じる。
古今、省略の諧謔というのもパターンだと思うが、走る機関車の車輪と連結棒のカット挿入で、都市間移動を表現する繰り返しも、オーソドックスかも知れないが、このリズム感にクスリとさせられる。有名なマーサ・レイとのボートのクダリも、オフの音(と科白のやりとり)だけで、対岸から人に見られていることを表す(チャップリン達の見た目で、対岸の人の画面に切り返さない)、この省略も悪くない。ただし、殺人場面を全く見せない、死体も見せない、というのは、キレイな構成かも知れないが、やはり物足りなくはある。
ちらりちらりとカメラ目線を入れて来るのは気持ち悪い。ファンには嬉しいのかも知れないが。
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