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[コメント] 決断の3時10分(1957/米)

ひび割れた地面の俯瞰からクレーン上昇移動し、駅馬車が遠くからやってくる待ちポジションの長回しでクレジットタイトル。フランキー・レインの主題歌がかぶさる。これは抜群のタイトルカットを持つ西部劇。
ゑぎ

 しかし、全編に亘って、クレーン撮影が思いのほか多い。これもデルマー・デイヴィスらしさか。(『スペンサーの山』なんかでもうんざりするぐらいクレーンを使っていた。)なんか紋切り型というか、官僚的な演出に思えてくる。ヴァン・ヘフリンと子供たちが徒歩で牧場まで戻ってきた後の奥さん、レオラ・ダナの登場や、その後のヘフリンを見送る彼女のカットもクレーン。酒場女フェリシア・ファーグレン・フォードを見送るカットもそう。ラスト近くのレオラ・ダナとロバート・エムハートに雨が降り注ぐ場面も、クレーンによる極めつけの真俯瞰上昇移動カットだ。これは脚本家出身の監督がとった苦肉のビジュアル戦略だろうか。当時のクレーン撮影について、すこしこだわって見たくなってきた。後のステディカムや今現在の(今後の?)ドローンと同様にクレーン多用のデメリットが見えて来そうだ。

(評価:★3)

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