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[コメント] シャイン(1996/豪)

再びピアノを奏で始める天才の姿は、眩しいほど美しく光輝いていた。人は情熱さえ失わなければ、誰でも光り輝ける場所に辿り着くことができるような気になった。
Pino☆

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 実在する天才ピアニストの半生という点でも興味深かったが、それ以上に、この映画ではスコット・ヒックスが創り出す映像の美しさに釘付けになってしまった。

 幼少のデヴィッドが風呂場で親父に殴られるシーンでの水飛沫のカット、怒った親父が楽譜を焼き捨てるシーンでの舞い立つ炎のカット、デヴィッドが音楽学校に入学したシーンでの飛び立つ鳩のカット、デヴィッドが女流作家の家を訪ねたシーンでの木立ちのカット、朝もやの中の公園のカット、晩年、デヴィッドを訪ねた親父がアパートを後にするときのカット、プールに浮かぶ楽譜のカット・・・ など息を呑むほど美しい映像は完璧の一言。それだけでも充分感動モノだった。

 さらに特筆すべきはラストシーン。多くの映画で墓地を訪れるシーンを観たが、これほど美しい墓地のシーンは見たことがない。やわらかな光を浴びながら墓石の中を歩く2人は、いつまでも深い愛情で結ばれているようで、光輝いていた。

 「人は情熱さえ失わなければ、誰でも光り輝ける場所に必ず辿り着ける。」

 光輝くデヴィッドの映像から、そんなメッセージが伝わってきた。明日、デビッド・ヘルフゴットのCDを買いに行こうと思う。

(評価:★4)

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