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[コメント] ラスト サムライ(2003/米=ニュージーランド=日)

異国の異教徒が描いた映画でありながら、日本人であることが誇りに思える稀有な映画だった。細かい点で気になる所は多々あるものの、スケールの大きさが全てを一蹴した感じ。天晴!
Pino☆

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 時代考証がおかしい点や、日本らしくない風景、勝元の英語等、おかしな点は多々あったが、フィクションなのだから文句は無い。ただ、強いて注文を付けるなら、次の2点。

 1つは最後の合戦のシーン。多勢に無勢、しかも、飛び道具を持っている相手と戦うには、あまりにも策が無さ過ぎ! 軍師的な役割の人物がいないのも不思議だったが、背水の陣とは言え、あれほど真っ向勝負では負けて当然。まあ、死して武士道を全うするのが目的なのだから、敢えて策無しというのも分からないでもないが、勝元(渡辺謙)が知将なら、無意味に血を流すような愚策は取らないはず。もう少し、地形や風向きを利用するとか、背後を突くとか、無勢なりにも策が欲しかった。

 もう1つは、オールグレン(トム・クルーズ)の末路。あの状態で、生き残ったのも不思議だが、何故、彼は自害しなかったのだろう。彼もラスト・サムライの1人であったのなら、華々しく散らせてやるべきだったのでは?正直言って、ああいう形でオールグレンだけが生き残り、ラストでは、清々しい顔で、たか(小雪)のいる山村に舞い戻るというのは、理解し難い。百歩譲って、生き残ったにしろ、たかのいる村に帰るシーンは余計だった。

 とは言え、大作の名に恥じないスケールの大きさには圧倒されたし、映像・音楽の美しさも申し分無かった。予算の違いと言ってしまえば、それまでだが、邦画やTVの時代劇では、どうしても安っぽい感じになってしまう世界を、荘厳に描ききったことは賞賛に値する。

(評価:★4)

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