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[コメント] 少年メリケンサック(2008/日)

パコダテ人』のヒロインと同じ役者が演じているとは思えないほど、ドスの利いた迫力でスクリーンを占拠した宮崎あおいのワンマンショーといってもよい映画だった。
シーチキン

これだけ右に左に上に下にと振れ幅が大きいと、普通は見ていて嫌になりそうなものだが不思議と宮崎あおいが泣きわめいたり叫んだり怒ったり慌てふためいたり、何をやっていても、その存在感がいささかも揺るがず十分に魅力的だった。彼女はすごい役者になるんじゃないだろうかという予感をいだかせた。

もちろん、彼女だけでなく、脇に佐藤浩市とかユースケ・サンタマリアなど、芸達者で固めて無難な役柄を無難にこなさせているからこそ、それとの対比でいっそう彼女の弾けっぷりが光っているということもあるのだろうが、それでもたいしたものだと思う。

物語も全体としてはテンポよくすすんでいるし、工夫もされていると思うが、仙台のくだりはいささかくどいというかしつこい感じがしないでもない。25年前の解散の真相とかそんなに大事な話か?それに兄弟の葛藤とか父親をめぐるエピソードにしても、最初の伏線があったにせよ、ばっさり削ってもいいような話ではないか。正直、その辺のシーンはいささか退屈だった。

しかし、それ以外は全体としてはなかなか楽しく、しかも「宮崎あおいってすげえなあ」と、ある種の感動をもって見ることができたから満足。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)おーい粗茶[*]

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