[コメント] 決闘高田の馬場(1937/日)
走る走る、板妻が走る。まさに一目散に走る。その躍動感は観客の心をしっかりとらえ、心の中で「早く、早く」と思わずかけ声があがる。
さすがにさまになっていたが、チャンバラのシーンにはかなり独特な動きをとり入れており、今見るとちょっと違和感があるのは否めない。だが確かに独特のリズムと間を感じさせるものはある。
活劇はテンポもよくて決まっているのだが、それ以上に良かったのは、前半で伯父が帰った後、一人長屋で伯父の説教をそっくりそのまま繰り返す安兵衛のシーン。
伯父の真情を全身に受けとめるこのシーンがあるからこそ、後半の「書置き」を読むシーンが映える。短いながらも人情をしっかりと描き、しみじみとした趣を残した。
また若き日の志村喬がひょうきんな役柄を軽く演じているのも見どころの一つ。
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