ヘンな陰謀ものに走らず、真っ当に、地獄の様な戦場で一人の人間が示した気高い人間性と勇気を丁寧に描き、その意義を、そういうものとしてきちんと伝えていくことの重要性を示している。

そしてそれは、単に亡くなったものを称えるということだけでなく、その後も生きていく者たちにとっても重要な意味を持つことがよくわかる。

ベトナム戦争そのものの評価には一切ふれていないが、だからといってそれを美化したりするようなこともせず、戦場に送られ命を失った者への自然な敬意と、戦争の惨たらしさを感じさせる。

その意味で、戦争映画のある種の手本のような作品と言えるかもしれない。