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[コメント] バービー(2023/米)

広く受けようとぼやけた笑いになりがちなコメディーと違って、多方面に狭く鋭い笑いをぶち込むセンスがいい。Photoshopの話しなんて、ちょうどドリンクを飲もうとしたタイミングだったので意表を突かれてむせてしまったわ。ジョン・シナの登場シーンも皮肉が効いてる。いろいろ話題の映画だけれど、『シュミガドーン』(AppleTV)の文脈で観ると乗れる映画だと力説したい!!
ロープブレーク

シュミガドーン』は、虚構の世界に紛れ込んだ現実の倦怠期カップルが主人公のコメディで、AppleTV(無料お試し期間は7日間)のオリジナル。

虚構の世界では突如ミュージカルになったりする。笑いのネタはアメリカ社会自身。『バービー』もそこは同じ。『シュミガドーン』のシーズン1は1940-50年代のアメリカが舞台で、シーズン2は1960-70年代が舞台だ。『バービー』は、黒人キャラクターが販売された1969年以降の世界観をモチーフにしているが、『マトリックス』(1999年)のパロディが鍵を握っているなど、2000年〜現在のアメリカがネタの矛先になっていて、『シュミガドーン』シーズン4の趣がある。ミュージカルシーンもあるしね。

長々と『シュミガドーン』の話しを書いたのは、『バービー』ができた文脈をフェミニズム主軸に語る批評に限界を感じているのと(フェミニズムは単なるモチーフであってテーマはアメリカの歴史読み直しと見ると、『アメリカンゴッズ』とか『ウエストワールド』とかの最近のアメリカンSFドラマの潮流と重なる)、『シュミガドーン』がめっちゃくちゃ面白いからオススメしたかったからなのです。

でもホント、『シュミガドーン』観てから『バービー』観ると3倍は面白いと思います。保証します。

ただ、バーベンハイマー事件でこの映画にお金を落としたくないという気持ちはわかる。だからからかシネスケにもレビューが少ない(かくいう私も、ウチのカミさんもそれで一緒に行ってくれなくて、おっさん一人で映画観ることになったクチです)。

でももったいないよなあ。ということで、私が「お気に入り投票」したくなった世間の映画評を載せちゃいます。シネスケ補完計画。

・「バービーと原爆」https://rollingstonejapan.com/articles/detail/39863

・「「私は何のために作られたの?」と問うているのは、映画『バービー』それ自体かもしれない」https://niewmedia.com/series/shibasaki/barbie/

・「『バービー』ネオンジェネシス宗教映画」https://note.com/ttmjunk/n/nb8b6e8080676

私的には、上記の批評をはじめいろいろな批評を面白く読んだ上で、いや、『シュミガドーン』だろ、と思ったのでした。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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