女性をコレクションする、という切り口の映画はよくあると思います。最近の『模倣版』も然り。と、ここまで書いてなぜこの映画が物足りなかったのかわかった気がする。

それは、「毒」のなさ。

『模倣犯』で女性を次々と、まさに獲物のように刈り取っていく二人組と比べ、この映画に出てくる犯人像には「毒」が足りない。普段はさも誠実そうな人が見せる残忍さ、屈折した思いなどの表現が、『模倣犯』の場合は非常によく描けていたと思う。登場人物のほとんどは気づかなくても、映画を見ている自分だけはその残忍さに気づき、背筋の寒い思いをしながら引きずられるように画面に見入るのだ。

それに比べて、この映画では犯人像の人物描写が少ない。そのために映画全体の奥行きというか、世界の広がりが損なわれている気がする。見ている人は、被害者の立場によってしか状況を理解できない。そこが物足りなさの所以かもしれない。

・・・しかし、アシュレイ・ジャッドとモーガン・フリーマンの二人によって救われている気もする。

・・・それでもやはり、見終わった後の物足りなさから、評価は「２」とさせていただきます。