ミステリ仕立てのサイコスリラーといったところか。 多重人格、そして複数人の筆跡のノートが出てきた時点でなんとなく落ちは想像できた。で、死体が消えたので確信。妄想ネタに、数日前『トーキング・ヘッド』を見た影響で気付いたつーのが。

すべては犯人の妄想なのだから、死体が消えようが何でもアリ。それはそれでよいんだが、ミステリを期待して来た観客（私もです）は納得がいかないところだ。

ラストの落ちも賛否あるだろう。女性と少年との会話を続ける犯人。「おい、どうした？」と聞く医者。犯人は落ち着く。医者は前を向く。ニヤリと笑いをうかべて「いや、なんでもない」とつぶやく犯人。こうしたほうが スリラーとしての出来は良くなったかもね。