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[コメント] アメリカン・グラフィティ(1973/米)

やがて来る夜明けの予感に切なさを感じないのは、僕とこの作品の相性が悪かっただけなのか?ドラマは音楽の波の上に乗るのではなく、その下に呑まれていたように感じる。もとより、ああした青春への憧れなどほぼ皆無の僕だけど、あのDJは良い。
煽尼采

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







夜の闇と同じく、町の若者たちをそのダミ声で包み込むDJ。町の外の広い世界の象徴的存在であるDJ。実は町の放送局から独りきりで喋り続けていたDJ。皆が思っていたような黒人でもなく、声色を使って架空の人物を演じていただけのDJ。つまりは、実在しない幻としてのDJ。自分はもう若くないと言って外の世界へ出るのを諦め、だがまだ若いカート(リチャード・ドレイファス)には町を出ろと促すDJ。町で一目ぼれした女への伝言を彼に渡したカートが、去り際にDJの正体を知ってしまう短いショットは、何かサンタクロースの正体を知った時のような、甘い喪失感が漂う。

(評価:★3)

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