コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ディパーテッド(2006/米)

今回最も印象深かったのは、ビリーを演じるディカプリオの演技が秀逸だったこと。
うき

長い映画だったんだけど、それも香港映画3本を一つにまとめたんだからしょうがないか。「インファナル・アフェア」は観たことがない。それでも、この作品単体としては、それはそれで楽しめる。

今回最も印象深かったのは、ビリーを演じるディカプリオの演技が秀逸だったこと。3本を1本のせいかもしれないが、彼の生い立ちはそれほど詳しく語られない。しかし、彼の心の中にはきちんと「正義」のようなものが刷り込まれて育っていて、そして「潜入捜査」という、いわばその行為そのものが「裏切り行為」にあたる捜査は、想像以上に彼の心を荒らしてしまうらしい。自分が人を裏切るような行為をしているということと、それが捜査目的であるとはいえマフィアの手先として殺人や暴行に手を染めていくことも大きな心の負担になっていく。だからこそ精神科医とのやりとりが自然に思えるのだけど、この悩める男の姿をディカプリオは見事に演じていたように思った。一つ最後まで私にとって謎だったのは、どうしてマフィアの手先の一人が彼のことをかばったのかということ。

一方のマット・デイモン扮するコリンは、自分のためなら最後は世話になった人間も平気で裏切り、切り捨てていく。ものすごく頭が切れて、冷酷で非常だけど、それを「良き市民」的な仮面の下に完璧なまでに隠しておける人間は、マット・デイモンにはぴったりの役柄に思えた。

騙し合い、裏切り合い、殺し合いと、ま、一般市民にとっては非日常的なできごとが続くのだけど、ストーリーとしてはおもしろかった。最後の最後のシーンが、私には蛇足に感じられたのだけど、皆さんはどう感じるだろうか。

この映画を見に行ったとき、結構高齢のおばあちゃまが一人で観にきていたんだよね。ディカプリオのファンかな??この映画はおばあちゃまには激しすぎはしなかっただろうかと心配になったけど・・・

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。