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[コメント] PERFECT DAYS(2023/日=独)

35年経って変わったことと変わらなかったこと。
K-Flex

「ベルリン・天使の詩」が公開されたときはイキった大学生でした。今のようにたくさんの情報があふれていたわけではないので、「イケているらしい」という不確かな情報だけでいそいそと観に行きました。結果、「なんじゃ、この白黒映画は?」とさっぱり訳が分からずにすごすごと引き上げてきた作品です。それ以来、ヴィム・ヴェンダースからは距離を置いていました。

35年経って、予告編でヴェンダースの新作が公開されることを知りました。しかも映像を見ると、最近住み始めた我が家の近くが舞台じゃないですか。ということでいそいそと観に行きました。

恐らく二十歳のころにこの映画を見たら35年前と変わらない感想を持ったでしょう。「なんだよ、この普通のおじさんの普通の日常を普通に撮った映画は。」 今作でも私はヴェンダースの美学を感じることはできませんでした。ここは35年経っても変わらないところ。

で、変わったところと言えば、この何とも慎ましくひっそりと生きている、だけども過去にはそれなりにいろいろとあったんだろうなと想起させてくれる人物に共感はできないけど魅力は感じるようになったことです。年齢を重ねるとはこういうことなのかなと思いました。 また、東京という街で暮らし始めて3年。外からでは見えていなかった東京の魅力を感じるようになってからこの映画を見たので、今までは嫌で嫌で仕方なかった東京での生活がほんの少しだけ好きになれそうな気がしました。

(評価:★3)

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