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[コメント] 狼の時刻(1968/スウェーデン)

少年とユーハンとの岩場のシーン。ここまで緊張したシーンは他にない。 暗闇の影もが映りこみそうな映像とバーグマンの演出とが絡み合い、最高の緊張と不安感をもたらす。
牛乳瓶

狼の時刻』とは、深夜と暁の間の悪魔が解き放たれる時間のことで、日本では所謂『丑三つ時』にあたる。本作はイングマール・ベルイマン監督が手掛けた唯一のホラー作品として名高いが、私は本作をホラー映画ではなく、人間ドラマだと解釈している。全体は奇妙な絵空事・御伽噺のような・空中に浮遊しているような感覚を受ける仕上がりとなっており、まとまりも非常に良い。

シドーとウルマンの演技は大変素晴らしかった。この二人はさすがベルイマンに愛されただけあって、ベルイマンとの演出とも波長が完全に一致しているし、ベルイマンも彼らが持ち合わせているものを最大限に引き出す事に成功しているのだ。特にシドーが名演技で、精神的な不安が常に瞳の中に見え隠れしている。

(評価:★5)

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