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[コメント] リリー(1953/米)

これは・・・ミュージカルではない!!でもミュージカル!?
牛乳瓶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私たち観客において、「ミュージカル映画」と言えば、歌や踊りの絶妙なコラボレーションをもって、「ミュージカル映画」と呼べるに相応しいと感じている人は少なくないだろうし、映画の規定としてもそれがミュージカルと位置づけられていると思う。

本作に関して、歌が披露されるのはワンシーンしかない。しかし、本作はミュージカル映画なのだ。ミュージカルの黄金時代を築き上げたMGMミュージカルである。歌は一曲しかないが、踊りは何種か披露される。そして、その踊りの素晴らしいこと!

最後に、踊りをもって主人公の気持ちの揺れ動きを表現するシーンがあるが、今の台詞過多の映画時代において、こういったシーンを目にし、素直に感動した。

レスリー・キャロンは本作でアカデミー主演女優賞ノミネート。その純粋な演技に感動した。例えるなら、そこら辺の女優が水道水なら、彼女はわざわざ富士山にまで汲みに行った天然水。

幾つもの無駄なナンバーや踊りを入れているミュージカルとはわけが違う。珠玉のナンバーが一つあれば、それだけでミュージカルなんだ。ワンシーンのダンスで魅了される、そんな素敵なミュージカル映画です。

(評価:★3)

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