コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 戦場でワルツを(2008/イスラエル=独=仏=米=フィンランド=スイス=ベルギー=豪)

時勢に限らず観るべき作品である事は間違いない。だが、観賞後「あぁ、これはこのご時世ではアカデミー取れないわな」とも思った。
Master

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







実写収録したインタビューをポップアート調で作り直すという手法は、面白いと思った。ラストに基になった実写映像が出てくるので明確に感じたが、相当な残酷描写もアニメであれば抵抗なく観る事ができる。もちろんそれを良しとするかは別の問題ではあるが、表現方法としてはアリだと思う。

今回のインタビューを通して監督は自らの記憶の欠落部分を補完できたと一応は結論づけている印象がある。だが、それも自らが信じている記憶との整合性の観点から取捨選択したもの(つまりは都合のいい記憶)である可能性は捨てきれない。

今は信じていた基準もぐらつき続けており、安心をしたいご時世だと思う。その時期に出す作品としては相応しくないのかもしれない。だがあえてこの時期に出してきた事は評価したいと思う。ラストシーン、瓦礫に埋もれている子どもの映像は目をそらしてはならない真実なのである。

(2010.01.01 名演小劇場)

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。