本作は「リメイク」である。時系列上の「続編」ではあるが、基本シナリオは同一。設定を変えた箇所にまつわる描写をアレンジし、１で不自然だった描写を改めている。そのため、１は最後のオチ一発の「びっくり箱」映画に過ぎなかったが、かなりすっきりした作品にはなっている。

これは「放送禁止」シリーズを作ってきた長江監督の手腕と主人公姉弟を演じた中村蒼、青山倫子の演技力に拠る。このシナリオは完全に「放送禁止」のコンセプトに合致しており、お手の物だっただろう。だんだんとエスカレートしていく「怪奇現象」の表現は間違いなく１よりも良い出来であった。主人公の演技力も１より良い。ホラーがホラー足りえるためには演者の演技力も重要であることが１と本作の比較で十分わかる。

改善点がないことはない。個人的に気になったのはラスト。姉をタクシーで轢かせたなら、やはり「霊」は弟に「移る」べきだったのではないか。何のために姉が１の主人公を轢いたという表現を入れているのか。運転手の遺体を見て急に笑い出し、走り去るとかでも良かったのではないかと思う。

鑑賞前の想像よりは良い出来だった。それで本作に関しては十分満足である。

(2010.11.21 TOHOシネマズ上大岡)