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[コメント] 11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち(2011/日)

わからないならわからないとはっきり言ってくれた方が観ていてもすっきりする。頭掻きながら「多分こういう事だよなぁ・・」というような姿勢は『あさま山荘への道程』を撮った若松監督らしくない。
Master

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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鑑賞中、コメント部分に記載したイメージがずっと頭から離れなかった。

あさま山荘』の時のような「断言感」というか、登場人物の心情を深く理解して人物造形をしている印象を本作からは全く受けなかった。

三島にしろ森田にしろ若松監督からすれば、描き切ったつもりなのかもしれないが、どことなく思想的に相いれないものを何とか描こうとあがいているように思う。よっぽど劇中の討論会に登場する東大の学生運動家達の方に共感していないか。

だとすれば下手に寄り添おうとせず突き放した三島像を提示するべきだったと思う。それができない理由がどうにも読めず、個人的にはつらい鑑賞時間であった。

後、些細なことではあるが、市ヶ谷駐屯地へ行く車のシーン、2010年代の風景を工夫なく映してしまうのは、もっと若松監督らしくない。あの会話シーン、部屋の中で終わらせときなさい。

(2012.6.9 静岡シネギャラリー)

(評価:★3)

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