[コメント] LOOPER ルーパー(2012/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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タイムトラベルを扱う作品は大抵制作側に都合の良いように設定を組まれるので、後々見直すと疑問だらけというパターンは良くあるが、本作は比較的その疑問が少ないように思える。
何しろジョー(ジョセフ・ゴードン・レヴィット・ブルース・ウィリス)同士の会話の中でタイムトラベルの整合性について「どうでもいい!」とぶった切ったのはこの手の映画において、正しい選択をしていると思う。ストーリーを追う限りにおいてその部分が考えられていないわけではないが、観客に対して鑑賞中はその疑問を思い浮かばさせないようにしている。それはストーリーへの集中を促し、良い効果をあげている。
また、未来と現在を行き来するようなストーリーにしなかったのも同様の意味で正しい。時間軸を必要以上にぐちゃぐちゃにしてしまうと観客をただただ混乱させる効果しか生まない。本作においては制作側が何を語りたいのか、どういう話にしたいのかがしっかり伝わってきており、楽しめる作品になっていると思う。
それでも若干の物足りなさは、若ジョーがレインメーカーを殺さないことについての説明が足らないことにあると思う。
バタフライはタイムトラベルによる過去修正を繰り返しても「絶対に三方良しにはならない」ということを観客に植えつけた上であのラストに持って行っているのでストーリーに説得力があるが、本作はそういった必要な理詰めも失くしてしまっているため、その分が物足りなさにつながっているのではないかと思う。
それにしても、後々から考えても良く出来た作品である。
老ジョーが若ジョーの自決を予期できなかったのは何故?老ジョーは30年前に自分を処刑しているのか?台詞を細かく見ていくとちゃんと解答は示されているように思えたが、果たして事実はどうだか。
もう一度観てみるかな。
(2013.1.12 109シネマズ湘南)
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