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[コメント] レッド・ライト(2012/米=スペイン)

前半の沈鬱な雰囲気はなかなかよいのだけど……これ、脚本が致命的に駄目だと思う。
MSRkb

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







シガニー・ウィーバーが退場してからの、物語を進めるためのエンジンが不明瞭すぎて、なぜキリアン・マーフィーがデ・ニーロの超能力者に拘るのかがまったく詰め切れてない。せめて討論会でシガニーをやり込めるのがデ・ニーロの代理人ではなく本人であるべきだった。一応、その後にデ・ニーロとシガニーの過去の因縁が語られるのだが、台詞ですべて説明してしまうというセンスのなさ。テレビ討論会でやり込められて過去の因縁のシーンがフラッシュバックしてそれで心筋梗塞で倒れて……とかいくらでも流れは作れるはずで、なぜキリアン・マーフィーが彼女の死後に弔い合戦とばかりにデ・ニーロを追うのかの理由付けが弱すぎる。

なのでそこから急に、各登場人物の行動がどういう意図によるものなのか判然としなくなって、物語が間延びしてしまうのだ。だいたいあの超能力者が借りてる秘密オフィスみたいのは何の意味があるんだ?(表舞台から身を引いていたときはそこで細々と営業してた、って「設定」の話じゃないですよ。この映画で登場させる「意味」です。ぶっちゃけ、デ・ニーロのありがたい風味でいて意味のない長台詞を聞かせるためだけの舞台装置じゃないですか。この物語に対して何も貢献していないシーンですよあそこ)。あとクライマックスの劇場のトイレでキリアン・マーフィーが超能力者側が雇った刺客にボッコボコにされるシーン。あれなに? え、超能力者側の人は何がしたかったの? ただ痛めつけるってよりは最初確実に殺しにきてたよね(殴りつけるんじゃなくて首を絞めていた)? あんなとこでそんな危険なことしてどうするつもりだったの? まったく意味がわからない。

そして極めつけがあの「どんでん返し」ですよ。「どんでん返し」をしたいがためのどんでん返しで、杜撰なことこのうえない。しかも「どんでん返し」の見せ方がヘタすぎてスッと理解しづらい!

とにかく脚本がひどい作品だった。ネタとしてはもっと面白くできただろうに……。

(評価:★2)

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