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[コメント] 戦略大作戦(1970/米)

荒鷲の要塞』から僅か二年。しかしこれは決定的に「七〇年代」の映画だ。そのことはとりあえず「ドナルド・サザーランド」が象徴しているだろうが、作中人物の行動原理にしてもハットンガブリエル・フィゲロアの画面造型にしても主題歌の曲調にしても、その七〇年代性は歴然としている。
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**ネタバレ注意**
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序盤の戦闘シーン、暗闇の中の炎や煙が実に美しい。終盤の戦闘シーンはヨーロピアンな石造りの町並みで行われる。そのロケーションを活かす演出がなされているかととりわけ「遮蔽」に関して注意して見ていたが、これは及第点といったところか。

不満な点もある。クリント・イーストウッドらが敢行する作戦がどれほど無謀なものなのか、前半のうちにもっときっちり示しておかないとまずいのではないか(「タイガー」とかいう戦車が何台あるなんて強調されても、私にはぴんと来ません)。これでは「(いくら莫大な量だとは云っても)たかがカネのために決死的な作戦に挑む男たち」の面白さがじゅうぶんに生まれてこないし、最終的にはドイツ兵との「話し合い」で金塊を手に入れるという脱臼的な展開も劇に落差をもたらさないだろう。少人数編成チームと呼ぶにはいささか多すぎる兵士たちを捌ききれていないという問題もある(以上の二点について考えたとき思い出されるのは、アルドリッチ特攻大作戦』はそのあたりを実にうまくやっていたということです)。まあでも、面白い映画ですね。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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