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[コメント] 白衣の男(1951/英)

「究極の発明は産業の首を絞める」という命題を無条件に真とすることはできないので諷刺の精度を過度に評価することもできないが、そこで「労使の結託」をフィーチュアしてみせるシニカルなユーモアは英国映画らしい。と云ってもマッケンドリックは(イーリングには雇われていただけで)米国人なんだけど。
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ヒロインのジョーン・グリーンウッドはその声の低さのためか、なんだかローレン・バコールと重なって見えてくる。低音の美人っていいなあ。部屋に籠り父親に向かって一人芝居をしてみせる場面の声音の使い方なんて最高だ。夜の闇の中で光る白スーツであったり、ぽこぽこと妙な音を立てる実験装置であったり、視覚的聴覚的に面白いアクセントも効いている。アレック・ギネスと社長の執事が邸宅内を走り回るシーンなどのアクション・コメディ演出も堂に入ったものだ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ゑぎ[*]

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