[コメント] ラスト・シューティスト(1976/米)
撮影され、存在するということ自体が奇跡としか云いようがない映画。最後の西部劇か、西部劇の最期か。あるいは、ありえたかもしれない『リバティ・バランスを射った男』の「その後」か。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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西部劇が撮られることさえほとんどなくなった時代に生まれ育った私が抱くジョン・ウェインへの思い入れなど、高の知れたものなのかもしれない。しかしこの映画を決して尋常な気持ちで見ることができないというのも事実だ。ラストシーンだけではない。ロン・ハワードに射撃の心得を説くウェインを、ローレン・バコールにデートの申し込みを承諾されて思わず笑顔をこぼすウェインを見て、どうして心引き裂かれないでいられようか。
そして結末部のハワード。そう、これは「継承」と「断絶」の映画なのだ。なんと優しく、残酷な映画であることか! だから「映画」は続く。終わりながら続くのだ。一篇の映画は一秒間に二十四回の終わりを迎えながら続き、二時間で終わりを迎える一篇の映画たちが連なって「映画」は続いてゆく。
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