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[コメント] ダイヤルMを廻せ!(1954/米)

原作が舞台劇であることに起因する窮屈さは否めないが、その窮屈さをいとも鮮やかに緊張感に転化させてしまう卓越した演出ぶりはさすがヒッチコックと云えよう。
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俯瞰ショットも交えつつの、よく動きながらもしっかりと統御されたカメラによる語りが密室劇としてのこの映画の成功を導き出している。それにしても『裏窓』に比べれば数段落ちると云わざるをえないのだが、『十二人の怒れる男』には勝っているのではないか。撮影監督のロバート・バークスがすごいのかヒッチコックがすごいのかは私にはよく分からないけれど(ここで『ダイヤルMを廻せ!』が『十二人の怒れる男』に勝っていると云うのは、あくまで密室劇の成功に対する撮影の貢献度の話です。『十二人の怒れる男』もひとつひとつの画面自体はなかなかすばらしいものを持っていると思います。ほとんどボリス・カウフマンの功績なのかもしれませんが)。

ロバート・カミングスは『逃走迷路』と同様にあまり映画に貢献しているとは思えない。グレース・ケリーは美しい。が、その美しさも『裏窓』と比べてしまうとやはり分が悪い。

(評価:★3)

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